第2027回例会 クラブフォーラム「母子の健康について」

「母子の健康月間」 最近の母子保健を取り巻く状況

小林 正夫

最近の母子保健に関して、本邦では二つの重要な法案が成立しています。2018年12月には「成育基本法」、2022年6月には「こども基本法」が制定され、さらに2023年4月には「こども家庭庁」が発足し、こどもまんなか社会の実現に向けた政策が開始されてスタートしています。コロナウイルス感染症を契機に少子化は急速に進行していることから、こども家庭庁の役割は非常に重要です。

こども家庭庁は、成育部門と支援部門の二つの部門で構成され、業務が遂行されています。成育部門では、妊娠・出産、母子保健、成育医療、すべての子どもの成長の保障、子どもの居場所作り、子どもの安全などが主要な施策となっています。一方、支援部門では、困難を抱える子どもや家庭への切れ目ない包括的支援、児童虐待防止、子どもの貧困対策、ひとり親家庭の支援、障害児支援、いじめ防止が主要な業務です。

日本における子どもを取り巻く様々な問題への対応、そして少しでも子育てが負担にならない社会になることを切に願っている次第です。幸いにも、母子保健の指標である妊産婦死亡率、周産期死亡率、新生児死亡率、乳児死亡率などの国際比較において、日本はいずれの指標でも世界で1位または2位の水準にあり、欧米先進国よりも優れた成績を維持しています。

一方で、世界の母子保健に目を向けると、特に発展途上国に対する支援が不可欠です。5歳未満の乳幼児死亡率は日本の20倍以上であり、衛生環境の悪さから多くの乳幼児が感染症で命を落としているのが現状です。衛生環境の向上には、安全な飲料水の確保や清潔なトイレの設置が必要です。このような現状を考慮し、ロータリーとして国内外での活動を進める必要があります。

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