第1993回例会 会員卓話「米山記念奨学会について」 

公益財団法人ロータリー米山記念奨学会 学友委員会 委員
国際ロータリー第2710地区 米山記念奨学会委員会 委員
長場 誠

ロータリー米山記念奨学会の概況の説明をします。

初の米山奨学生は、1954年のタイのソムチャード氏でした。東京大学で養蚕(ようさん)学を研究し、帰国後はタイの蚕糸局に入局し、タイシルクの増産に貢献した方です。

米山記念奨学会の概要です。ロータリー米山記念奨学事業は、日本のロータリーが作り育てた独自の事業で、34地区、全地区が参加する多地区合同活動です。1952年に事業が始まって以来、一貫して、日本で学ぶ外国人留学生を支援しています。「公益財団法人ロータリー米山記念奨学会」というのは、この事業をおこなうために、日本のロータリーが協同して運営する奨学財団で、財源はすべてみなさんからのご寄付で成り立っています。この奨学金の最大の特長は「世話クラブ・カウンセラー制度」です。米山奨学生には世話クラブの例会や活動に参加してもらい、交流することを大切にしています。ロータリー米山記念奨学金は、日本のロータリーの父、米山梅吉翁の名前を冠した事業です。と言いましても、梅吉さんの財産で作られたものではありません。米山梅吉翁は1868年、ロータリーの創設者、ポール・ハリス氏と同じ年に生まれました。遣米使節団の一員としてアメリカ滞在中、ダラスロータリークラブの会員となっていた日本人の福島喜三次(ふくしま きさじ)氏と出会い、1920年に日本で最初のロータリークラブ、東京ロータリークラブを設立しました。そのため、日本のロータリーの父と呼ばれています。米山は、日本で初めての信託会社、三井信託株式会社を設立したことで知られています。晩年は、三井報恩会を通じて、ハンセン病や結核の患者を救う助成事業を行い、私財を投じて小学校を設立するなど、人生を通じて常に、奉仕に情熱を傾ける人物でありました。終戦翌年の1946年、米山梅吉さんが亡くなりました。

3年後の1949年、戦争のため解散を余儀なくされていた日本のロータリーが、国際ロータリーへ復帰します。戦後の落ち着きを取り戻すにつれ、梅吉さんの功績を永遠に偲ぶことができるような、何か有益な事業をやろうではないかという声が大きくなってきました。そして1952年、東京RCが「米山基金」の構想を発表しました。これは、アジアから優秀な学生を招いて学費を援助するとともに、二度と戦争の悲劇を繰り返さないために平和日本を肌で感じてもらいたい、というものでした。この「米山基金」が、わずか5年で日本の全ロータリークラブの共同事業となり、1967年には財団法人ロータリー米山記念奨学会が設立されました。

巣立った奨学生のOB組織、米山学友会は日本に33、海外に10あります。2023年5月、新たにベトナム南部ホーチミン市を拠点とする「ベトナム南米山学友会」が設立承認されました。

日本は全部で34地区なので、1つ足りないように見えますが、日本の全地区に学友会があります。(北海道はロータリー地区は2つですが、学友会は「北海道米山学友会」の1つであるため)中でも、米山学友による世界大会は、国内外の学友会が持ち回りで主催する、大きな大会です。今年つくばで開かれた「再会in関東」は、関東10地区の米山学友会による共同開催という形で行われ、学友や現役奨学生、ロータリー会員など、日本国内外から1,209人が登録する大きな大会となりました。次は3年後、台湾でのロータリー国際大会に合わせて開催されます。

個別の海外米山学友会の紹介をします。台湾米山学友会では、台湾へ留学する日本人の若者に対し、奨学金を支給しています。今年で15年目となり、累計53人もの日本人を支援しています。韓国米山学友会でも2016年から、韓国へ留学する日本人の若者への奨学金支援を行っています。今年は9人採用、すでに累計42人もの日本人を支援くださっています。ネパール米山学友会では、2015年のネパール大地震で日本から寄せられた義援金を原資とし、ネパール国内の貧しい子どもたちへの教育支援を続けてくれています。ベトナム・ホーチミン市を中心とする「ベトナム南米山学友会」が、今年5月に正式に設立承認されました。これまでも、「学友会」ではなかったのですが、2015年から地元での奉仕活動をずっと続けてきました。2024年3月10日に、ホーチミン市内でベトナム南米山学友会の創立記念式典が開催される予定です。

現在、ロータリー会員になった学友は292人です。ここで紹介する二人は、それぞれ奨学生時代の世話クラブに入会し、今年度(2023-24年度)クラブ会長をつとめている学友です。第2750地区 東京広尾RCのパブロ・プーガさん(メキシコ/2006-08/東京広尾RC)、第2770地区 大宮北ロータリークラブのキム ボクハンさん(韓国/1995-97/大宮北RC)です。キムさんは、第2代よねやま親善大使でもあります。また、ガバナーになった学友も3人います。林隆義(リムユンウィー/1997-98年度 第3650地区ガバナー)さん、許國文(キョ コクブン/2005-06年度 第3490地区ガバナー)さん、林華明(リン カミン/2015-16年度 第3522地区ガバナー)さんです。米山学友が中心となって設立したロータリークラブは国内外に6つあるほか、衛星クラブも3つ設立されています。

  • <海外>台北東海RC(第3482地区)、台中文心RC(第3461地区)
  • <国内>東京米山友愛RC(第2750地区)、東京米山ロータリーEクラブ2750(第2750地区)、さいたま大空RC(第2770地区)、茨城ロータリーEクラブ(第2820地区)

米山へのご寄付のほとんどはロータリー会員からのものですが、実は学友も、この事業を支えてくれています。米山学友からの寄付金は、累計約1億2,700万円にのぼります。この1億2,700万円以外にも、日本で大きな災害が起きるたびに、国内外の学友から義援金が寄せられています。2011年、東日本大震災の時には、発生直後から日本の無事を願うメッセージが相次いで寄せられ、国内外の学友から760万円が集まりました。このお金は、奨学会を通じて被災地区へと送金されています。熊本大地震の時には、上海米山学友会から20万円。熱海土砂災害の時には、台湾米山学友会から150万円でした。今後も米山記念奨学事業へのご理解ご協力をお願いします。

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