第1989回例会記録 会員リレー卓話「カナダ遠征報告」

『カナディアン・ロッキー ロッククライミング』

昨年のネパール遠征のベースキャンプで共に過ごしたカナダ在住の山田利行という爽やかな山男との出会いから、今回のカナダ遠征が実現となった。最初は個人的に広島の山仲間との遠征予定だったが、話しは大きくなり3年後に迎える日本山岳会の100周年の記念山行の一つにする為のプレ山行のような形に変わり、東京や名古屋からのメンバーも一緒に行くことになり計7人での計画となった。今回も円安や物価高騰の影響を受け、飛行機代も高く、初めて格安航空を乗り継いでカナダへ向かったが、乗り換えや予約HPの複雑さにちゃんとカルガリーまでトラブル無しで到着できるのか不安でいっぱいだった。仲間のロストバゲージなどもあったが、無事にカルガリーに到着し爽やか男、山田と合流、レンタカーで今回のベースとなるキャンモアへ向かった。ベースの宿は日本人がオーナーの自宅で半地下のような場所に共同生活ができるようにリフォームしてある。ロフトには映画に出てくるような大きなグリルがあり毎日がバーベキューの日々になった。翌日からキャンモア近郊の岩場に通い詰める。車で30分以内の場所に多くの好ルートがありクライマーにとっては天国のようなエリアだ。ただ、キャンモア周辺の岩質は石灰岩、広島や日本で登り慣れた岩は花崗岩が多い、石灰岩は脆く滑りやすい感じもして緊張感がある。毎日、300~400mの岩を登り登頂後、降りてくるとベースの宿に戻り、皆で買い出しした材料でバーベキューとビールの日々、本当に天国のような生活でした。最終日はタカカウフォールという、これまでに見た事がない大きさの滝の右岸を登攀、滅多に遭遇しないマウンテンゴートという山羊と岩壁で遭遇したり、本当に思い出に残る山旅となった。また、今回の山行で初めて出会ったメンバーともロープを繋ぎ登った事で、大きな友情もでき充実した遠征になった。2025年の日本山岳会の100周年に向けて、1925年に日本山岳会によって初登頂されたMt.アルバータの再登に向けて良い流れができました。来年も参加する予定にしているので、更に体力、技術ともに磨いていこうと考えています。