第1959回例会記録 ゲスト卓話「心の品質管理と品種改良」

「人を育てる」という仕事

ミミさんのお仕事って何ですか?とよく聞かれます。

私は小さい頃から、歌う、踊る、演じるという事をならい、数多くのミュージカルやオペラなどの舞台に立ってきました。

高校生の時、ダンスの先生から「あなたは教える才能があると思う」と言われ、小さい子にダンスレッスンをする機会を得、そこから沢山の経験を積ませて頂き、幼稚園から大学までのさまざまな教育現場で、自己表現の授業、音楽、時には道徳の授業まで任されることがありました。

現在は中区と佐伯区に私が代表をつとめるスタジオや、教育現場などで子ども達を指導しながら、音楽や舞台のプロデュース業もしております。

というように、私の仕事の大部分は「教える」というものです。

20年以上この仕事を続けてきて、今も毎日が気づきと発見の日々です。

指導する相手は、年齢も様々、目的も様々、そして何より “生モノ“ を相手にしているという難しさに、いつも悩みながら試行錯誤しております。

幼稚園や小学校の低学年の場合、先の人生が長すぎて、私と一緒に過ごした時間の上に沢山の事が上書きされていくのだと思いながらも、子ども達の記憶のどこかに何かを残す事が出来ればと願っています。

小学校高学年、中学生になると、反抗期や思春期で自分と葛藤する子ども達を、ほめたり、なだめたり、すかしたり、その気にさせながら、私という人間が良いスパイスになれれば!と、強めの香辛料の役目を果たしたいと思っています。

年齢が上がり、高校生や大学生になると、私の役目の大半は、彼女らの夢のお手伝いです。宝塚、劇団四季、女優やミュージカルスターを目指している生徒達の夢までのキョリを測り、夢の方程式を作らせます。自分の才能や実力に何を足したりかけたりすれば夢の実現という答えを導き出せるのかを本人が把握しなければ、夢は夢のままで終わってしまいます。

夢を目標に変える力をつけてあげたいと思っています。

ただ、全ての人が夢を叶えられるわけではない。

どんなに努力しても夢に届かず、報われないことにもたくさん立ち合ってきました。

夢を目標に変えて、必死で頑張った生徒達がそこで止まってしまわぬよう、絶望し無気力にならぬよう、日頃からそれまでのプロセスの大切さを説いています。

「どれだけ本気になれるか」

「どれだけ丁寧に取り組めるか」

「どれだけ進化できるか」

夢を手に入れることも勿論大切だけれど、自分自身の成長と進化を楽しむことが出来るようになれば、自分を手助けしてくれる親や先生達への感謝の心が生まれていきます。

この心がきちんと芽生え、育まれていれば、目標が達成出来なくとも、それまでのプロセスを財産として、次の夢を探すことが出来る!と私は信じています。

「人を育てる」という責任ある仕事をしているだけに、自分自身もまた、進化し続けないといけないと強く感じています。

指導者、教育者としてはもちろん、1人の社会人として、何より “人“ としてどこまでも成長し続けたいと思っております。